★日高文化歴史散歩 「第19章 世界ジオパークの鼓動 秋の日高耶馬溪&幌満峡編 【1~40】!」 2022年(令和4年)10月中旬

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【全体のイメージ】

日高地方

【参考:北海道日高振興局管内の7町の地図】

『Ⅰ アポイ山麓 【1~9】』

写真1

1.今日は、路線バスで、様似町の代表的な宿泊施設の『アポイ山荘』にやってきました。

 なお、当施設には「露天風呂付きの入浴施設」があり、日帰り入浴も可能です。

写真2

2.また、当施設の南側には、オーシャンビューの「パークゴルフ場」もあります。

写真3

3.さらに、当施設の東側に目を向けると、登山で有名な『アポイ岳』を望むことが出来ます。

写真4

4.そして、なんと言っても、当施設の近くには「アポイ岳の登山口」があります。

 そこには、当地が2015年(平成27年)に、「ユネスコ世界ジオパーク」に認定された旨の看板がありました。

写真5

5.なお、上の写真は、当シリーズ第2章の様似編で最後に訪れた、様似市街近くの「エンルム岬」にある看板です。

 どうして、この地が「世界ジオパーク」に認定されたのか、端的に説明させていただくと次のとおりとなります。

 約1300万年前、西へと移動する「北米プレート」が「ユーラシアプレート」と衝突して「日高山脈」を形成、「北米プレート」が地上へとめくりあがり、北米プレートの地下深くの「マントル」が当地付近の地表に表れ、「特異な地質」となっているとのことです。

写真6

6.従って、その特異な地質等のため、アポイ岳は、低標高ながら「高山植物の宝庫」となっており、その植物群落は、1952年(昭和27年)に「国の特別天然記念物」に指定されています。

 ちなみに、登山口の入口付近には、様似町の真新しい施設である『アポイ岳ジオパークビジターセンター』があります。

写真7

7.なお、上の写真は、ジオパークセンター前にある「看板の地図」です。

 さて、本日の予定は、まず当地から【南進】して太平洋側に出て、太平洋沿いを走る国道336号線(とんがりロード)を【東進】、途中、「日高耶馬溪」という断崖絶壁の名所を通り、その後、アポイ岳の東側にある「幌満峡」の北側、奥深くの「幌満ダム」まで【北進】することにします。

写真8

8.それでは、まずは「太平洋」を目指して、渓流に沿って【南進】します。

 なお、この渓流沿いには、『アポイ山麓ファミリーキャンプ場』があり、夏には大勢の人で賑わう所です。

写真9

9.また、キャンプ場の近くには、「木製のアスレチック遊具」があります。

 ちなみに、振興局の史料によると、1911年(明治44年)に当地付近に「製材工場」が操業開始、その自家用の火力発電機で、日高地方に初めて電灯がともったとのことです。

『Ⅱ 冬島地区 【10~13】』

写真10

10.さて、太平洋に出て国道を【東進】すると、すぐに漁村の「冬島地区」に着きます。

 日高地方の海岸沿いではよく見られる、「昆布干し」が行われていました。

写真11

11.なお、当地の一番の見所は、冬島漁港の西隣にある『冬島の穴岩』です。

 波の浸食によって「穴」が開けられたとのことですが、「アイヌの伝説」では、小樽付近にいた神が弓を射って穴を開けたという伝説があるそうです。

写真12

12.さらに、冬島漁港の北側の海岸段丘の上は、様似町を代表する「縄文遺跡」となっています。

写真13

13.その後、冬島地区を後にし、更に国道を【東進】すると、徐々に「断崖絶壁」が姿を現します。

『Ⅲ 日高耶馬溪 【14~22】』

写真14

14.そして、しばらく歩くと「日高耶馬溪」の入口付近に到着。

 ここで、トンネルの中には入らずに、「太平洋側沿いの旧道」を歩きます。

写真15

15.するとすぐに、当地付近が『北米プレートとユーラシアプレートの境界』であるとの説明書きの看板がありました。

 私は、この旧道を何回も車で通ったことがありましたが、この日歩くことで「初めて知った所」です。

写真16

16.上の写真が、その「説明書きの看板」です。

 まさに、太古から伝わる「地球の鼓動」を感じることが出来ます。

写真17

17.さて、その境界からすぐ東隣には、「明治・大正・昭和」と3つの時代に掘られたトンネルが並んでいます。

 小屋の右側(北側)が「大正」、左側(南側)が「明治」のトンネルですが、後者はまるで鉱山の坑道のような、人がやっと通れる位のものです。

 この地が、いかに「交通の難所」であったのかを物語るものだと思われます。

写真18

18.さらに、3つのトンネルからほどなくして、『ルランベツ覆道の褶曲』というものがありました。

 私はこの日、この褶曲を「初めて」見ましたが、プレートとプレートの接合部分に大きな力がかかり、「褶曲」したとのことです。

 「さすが世界ジオパーク!」と感じた次第で、地質ファンにとってはたまらないと思われます。

 ちなみに私は、高校生の時の「地学の授業」で、各種岩石の名前を学んだものの、今となっては、その意味するところは、ほとんど忘れてしまっている次第です・・・・

写真19

19.さらに、ほどなくして『日高耶馬溪』のクライマックとして、その断崖絶壁を望むことが出来ます。

写真20

20.近くに、日高耶馬溪に関する「説明書きの看板」がありました。

 ロシアの南下政策に危機感を抱いた「江戸幕府」が、東蝦夷地最大の交通の難所であった当地に1799年、「様似山道」を開削しました。

 なお、2018年(平成30年)にこの「様似山道」は、国の文化財の中の「史跡」に指定されています。

写真21

21.さて、旧道は途中で終わり、「覆道の国道」に合流しますが、左右の見通しが悪い交差点なので、車で通る際には注意が必要です。

写真22

22.覆道を抜けると、すぐ先の長さ約1km弱の『幌満トンネル』の中を歩くこととなります。

 車では何回も通ったことがあるものの、初めて歩いてみると、「大型車両の騒音がすごい」と感じた次第です。

『Ⅳ 幌満地区 【23~26】』

写真23

23.さて、トンネルを抜けて、いよいよ「幌満地区」に入ります。

 写真の川は「幌満川」であり、この上流に、最終目的地の「幌満ダム」があります。

 なお、この地区もアポイ山麓と同様、かつては「大きな製材工場」があり、振興局の史料によると、1902年(明治35年)に操業を開始し、この地区の人口が急増、その原木の伐採地の幌満川上流、おそらくこれから向かう「幌満ダム」のさらに上流の、大泉という地に小学校が開校したとのことです。

 ちなみに、現在の「新ひだか町静内」にある大きな製材工場は、1945年(昭和20年)にこの幌満地区から移転されたものです。

写真24

24.なお、幌満川の東岸に行くと、『和助地蔵尊』があります。

 上記20で記述の「様似山道」を開削した際、「斉藤和助」という方が尽力し、また、当地の人々から絶大なる信頼を受けたため、同氏が亡くなった際に建立されたとのことです。

 現在は「様似町指定の文化財」となっています。

写真25

25.さて、これから幌満川を上流に遡り、約10km位北にある「幌満ダム」を目指すことになりますが、これまで私は一度も訪れたことが無い地です。

 当該ダムまでは、山林の中の「狭い1車線の砂利道」しかないとのことで、ここからは物騒なので、「車」に乗って向かうことにします。

写真26

26.実はこの日は、まず「車」でこの幌満地区まで来て、当地に車を置いて上の写真の「路線バス」に乗り、スタート地点の「アポイ山荘」まで【西進】、その後に上記のとおり徒歩で、当地まで戻って来たところです・・・・

『Ⅴ 幌満峡 【27~40】』

写真27

27.さて、幌満川に沿って車で【北進】すると、ほどなく左手(西側)に、『幌満川第二発電所』があります。

 古くは1940年(昭和15年)に建設され、道央からの長電線の「送電ロス」に悩む日高地方の電力事情を改善させたとのことです。

 なお、現在は、当発電所も含めた幌満川一帯の水力発電施設は、様似市街東端にある「新日本電工(株)」の所有となっています。

写真28

28.それでは前人未踏ならぬ、私が未踏の地へ向けて、「狭い1車線の砂利道区間」に入ります。

 怖いのは、なんと言っても「対向車」です。

 ジオパークのガイドブックによると、要所に「待避スペース」があるとのことですが、対向車が来ると、数十mかそれ以上バックする必要も想定されます。

写真29

29.林道を【北進】すると、横には「見事な渓谷」の風景が見えましたが、私は対向車に自分の存在を知らせるため、「クラクション」を鳴らし続けることに一生懸命です。

写真30

30.しばらくして、『天然記念物幌満ゴヨウマツ自生地』の記念碑がありました。

 当該自生地は、古くは1943年(昭和18年)に「国の天然記念物」に指定されています。

 なお、私はこの自生地の存在は知っていましたが、「ゴヨウマツ」と言われても、素人の自分には、見た目では分からないと思い、これまで訪れたことはありませんでした。

写真31

31.上の写真が、その「ゴヨウマツ」の様子ですが、当地付近が「ゴヨウマツの北限自生地」とのことです。

 ちなみに、ガイドブックによると、一般的な「マツの針葉は2本」であるのに対し、「ゴヨウマツの針葉は5本」あるとのことです。

写真32

32.さて、さらに【北進】すると、「不動の沢」という所の脇を通ります。

 なお、申し遅れましたが、この幌満峡一帯は、地球内部のマントルを構成する岩石の「かんらん岩」で成り立っており、地質学的に貴重な所とのことです。

写真33

33.ほどなくして、上記27で記述の第二発電所へ、地下の導水管で水を送る「第二発電所えん堤」に到着します。

 まさに「秋を感じさせる見事な景観」ですが、私は対向車が気になって仕方がありません。

写真34

34.第二発電所えん堤から、ほどなく『幌満第三発電所』の前を通ります。

 振興局の史料によると、1954年(昭和29年)に「出力6000kwの発電所」として建設されたとのことで、この発電所だけで、様似町全体の電力需要を賄うことが出来ると思われます。

写真35

35.さらに、幌満第三発電所からほどなく『幌満川稲荷神社』の前を通ります。

 水力発電所を建設した際の「昭和初期」に建立された神社とのことです。

写真36

36.そして、いよいよ、ようやく・・・・本日の最終目的地の『幌満ダム』に辿り着きました!

写真37

37.ダムを横から眺めると、「その迫力」が感じれらます。

 「 うん。黒部ダムよりも凄い! 」

(なお、私は直に黒部ダムを見たことはありません。)

写真38

38.ちなみに、このダムから上記34の第三発電所へ、地下の導水管で水を送っているとのことで、この「ダムの貯水量」は、民間企業所有のダムとしては日本一とのことです。

写真39

39.上の写真は、幌満ダムによって出来た「幌満湖」の様子です。

 苦労して到達したこともあり、別天地の「桃源郷」のように見えました。

 おそらく、この湖を眺めるのは、これが「最初で最後」となることでしょう。

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40.さて、帰りの道中も、対向車が来ないかハラハラしながら、ようやく「完全舗装2車線の道」まで到達、無事生還します。

 運が良かったのか、対向車とすれ違ったのは、たまたま待避場があった1回だけで済みましたが、当地を訪れる際はくれぐれも「注意が必要」と感じました。

 また、普段何気なく通っている「完全舗装2車線の道路」がどれだけ有り難いか、この日を通じて改めて気付かされた次第です。

【以上、ウォーキング距離 推定約6km】

(巻末1)「【日高文化歴史散歩】~★ブラ・ラブヒダカに係るポータルサイト(第1章~第29章)!」

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(超一括要約版)日高文化歴史散歩~★ブラ・ラブヒダカ(第1~29章:各章5コマ)!

ブララブヒダカ写真

(巻末2)「【日高の歴史・文化の世界へ】ポータルサイト!」

【当該サイトの主な掲載内容】

  1. 「日高の歴史的文化活用事業(日高の歴史的文化活用資源【リスト】)」
  2. 「北海道・日高管内の【博物館・美術館等】一覧~21!」
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  4. 「北海道・日高管内の【主な文化ホール・映画館・公民館・図書館等】一覧!」
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  10. 「(概略版)日高の【戦後史(75年間)】年表 ×2021年現在写真集!」
  11. 「北海道・日高管内の戦後75年間【文化・スポーツ史】概要!」
  12. 「北海道・日高管内の戦後【市民活動史 (町内会・青年女性団体・NPO等) 】概要!」
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  15. 「北海道・日高管内の【主な擦文・アイヌ文化期の遺跡及びチャシ跡】× 2022年秋現在写真集!」
  16. 「文化振興に係る【各ホームページ】へのリンク集」

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