★日高文化歴史散歩 「第2章 江戸時代の風情 様似編 【1~38】!」 2020年(令和2年)10月下旬

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【全体のイメージ】

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【参考:北海道日高振興局管内の7町の地図】

『Ⅰ JR様似駅 【1~9】』

様似駅 (PNG 720KB)

1.今日は、江戸時代から交通の要衝として、日高管内で最も古い(和人の)歴史があると思われる「様似町」にやってきました。

 上の写真は、『JR様似駅』です。

様似駅2 (PNG 1.03MB)

2.様似駅は、1937年(昭和12年)に開業し、「JR日高線の終着駅」となっています。

 ここからさらに、えりも・帯広経由で、十勝の中心地「帯広」まで鉄道を結ぶ計画がありましたが、現実しませんでした。

日高耶馬溪 (PNG 492KB)

3.上の写真は、様似~えりも間にある『日高耶馬溪』です。

 また、えりも~広尾間には、多額の建設費にちなんで命名された「黄金道路」があり、様似以東は断崖絶壁の連続で、鉄道を建設するのはかなり困難であったと思われます。

様似駅3 (PNG 1.06MB)

4.なお、JR日高線は、高波等の自然災害のために「5年前から不通」となっており、バス代行運行が行われています。

 しかし、多額の復旧費の他、将来も赤字運行が見込まれるため、残念ながら数日前に正式に「配線」が決定されました。

様似駅4 (PNG 567KB)

5.来年、正式に敗勢となりますが、その後の「バス」を中心とした日高管内の交通体系について、これから、具体的に議論されることになると思われます。

 なお、上の写真は、JR北海道バスが運行する「襟裳岬経由」、帯広行きのバス停です。

様似町 (PNG 892KB)

6.駅前通りを【南進】すると、すぐに町の東西を横断する「大通り」の国道336号線があります。

様似町2 (PNG 674KB)

7.また、駅の南西側には、「町の各施設」が並んでいます。

 手前が「様似町役場」、真ん中が「中央公民館」、一番奥(西側)が「スポーツセンター」です。

様似町3 (PNG 497KB)

8.更に、スポーツセンターの北側には、「町立様似図書館」があります。

 通常期は、柔らかく座り心地が良いソファーがあるので、「読書をするのに最適な所」です。

様似川 (PNG 678KB)

9.さて、国道を【西進】して、『様似川』を渡ります。

 なお、奥に見えるのは、最終目的の「エンルム岬」です。

『Ⅱ 観音山【10~13】』

様似町4 (PNG 1.36MB)

10.国道を更に【西進】すると、「栄町」という所で分かれ道があり、ここで【北進】します。

 これから、「観音山」という山を反時計回りに、一周することにします。

アポイ岳 (PNG 885KB)

11.【北進】して坂を上ると、眺望が良くなり、「様似市街が一望」出来ます。

 奥に見える右側の山は、登山等で有名な「アポイ岳」です。

観音山 (PNG 808KB)

12.坂を上って【西進】し続けると、すぐ右手(北側)に『観音山スポーツ公園』があります。

 野球場・多目的広場のほか、「ソフトボール専用球場」もあります。

観音山2 (PNG 1.12MB)

13.途中、左手(南側)に「観音山公園」への分かれ道があります。

 当該公園には、絶景を眺められる「展望台」がありますが、のちに別の展望台に登る予定なので、スルーして【西進】し続けます。

『Ⅲ 親子岩 【14~19】』

観音山3 (PNG 996KB)

14.観音山の西側まで行き、下り坂を【南進】すると、「海」が見えてきました!

 海に浮かぶ三つの岩は、『親子岩』と呼ばれています。

親子岩 (PNG 312KB)

15.さて、「海岸線」にまで出てきました。

 ここは、夏には『親子岩ふれ愛ビーチ』として、日高管内で唯一の海水浴場となります。

 なお、数年前まで、新ひだか町の「三石海浜公園」でも海水浴場が開設されていましたが、備品のロープが破損したため、その後は閉鎖の状態です。

親子岩2 (PNG 320KB)

16.上の写真は、今年の夏に撮影した「海水浴場」の様子です。

 なお、北海道の夏は、海流の影響からか、日本海側はかなり気温が上昇しますが、太平洋側の海沿いは「冷涼の気候」です。

 従って、当地で海に入りたいと思うまで「気温が上昇」するのは、年間数日程度です。

親子岩キャンプ場 (PNG 601KB)

17.しかし、海水浴場のすぐ目の前には「キャンプ場」があるので、夏は多くの人で賑わいます。

 駐車場の「車のナンバー」を見ると、地元の室蘭よりも、札幌・帯広・道外等のナンバーを多く見かけます。

 おそらく「避暑」のために、当地に来ているものと思われます。

キャンプ場2 (PNG 713KB)

18.夏の最盛期には、キャンプ場は、写真以上に「テントであふれる状態」になります。

 しかし、秋になると人影はほとんどみられず、土日に来ても「プライベートビーチ」のごとく、ビーチを独り占めすることが出来ます。

 コロナ禍のニュースで、神奈川の湘南海岸付近で「車が大渋滞」を起こしているのを見ると、贅沢に感じられます。

キャンプ場3 (PNG 1.13MB)

19.その後、観音山の南側にある「国道336号線」をしばらく【東進】して、駅の方へ戻ります。

『Ⅳ 蝦夷三官寺 等澍院 【20~25】』

等_院 (PNG 1.38MB)

20.さて、国道の左手(北側)に、「古い和の歴史」を感じさせる風景が見えてきました。

住吉神社 (PNG 1020KB)

21.国道の北側にある『住吉神社』に到着。

 古くは「1704年頃」創基とされます。

等樹院2 (PNG 1.21MB)

22.住吉神社の東隣には、18世紀末からのロシア(キリスト教)の南下政策に対抗し、江戸幕府が有珠、厚岸と並び、様似に蝦夷三官寺の筆頭寺として建立した「等澍院」があります。

等樹院3 (PNG 951KB)

23.上の写真が『等澍院』であり、1804年に建立されました。

 なお、この寺は「北海道遺産」とされるとともに、関係古文書は「国の重要文化財」に指定されています。

等樹院4 (PNG 1.22MB)

24.等澍院内には、加持祈祷・弘道修行の道場として、1811年に建立された「等澍院護摩堂」があります。

 なお、奥(西側)に見えるのは「住吉神社」です。

等樹院5 (PNG 1.47MB)

25.等澍院の更に東隣には、1889年(明治22年)に建立された「智教寺」があります。

『Ⅴ エンルム岬展望台 【26~38】』

エンルム岬 (PNG 859KB)

26.国道を更に【東進】すると、『会所町』への分かれ道があります。

 最終目的地の「エンルム岬」へ向かうため、ここで【南進】します。

エンルム岬2 (PNG 577KB)

27.ほどなく「様似郷土館」に到着。

 国の重要文化財に指定されている「等澍院の古文書」も、ここで展示されています。

 詳しくは、「下記のHP」をご覧下さい。

様似会所跡 (PNG 1.44MB)

28.なお、様似郷土館の目の前には、「様似会所跡」があります。

 ロシアの南下政策に危機感を抱いた江戸幕府は、1799年に東蝦夷地(北海道の南半分)を直轄地とし、松前藩の運上所を「会所」と改め、その出先機関としました。

エンルム岬3 (PNG 944KB)

29.更に【南進】して、いよいよ最終目的地である『エンルム岬展望台』へと登ります。

 なお、展望台の途中までは、「車」でも上ることが出来ます。

エンルム岬4 (PNG 1000KB)

30.エンルム岬の中腹にある「駐車場」に到着。

かんらん石版 (PNG 1.13MB)

31.近くには、「火星より遠いアポイのかんらん岩」との看板がありました。

 人類は、約半世紀前に火星まで探査機を送りましたが、地球表面の地殻の下にある「マントル」までの地下を、まだ、掘り進めたことがありません。

 しかし、この様似町では、そのマントルが地表に現れている「特異な地質」となっています。

エンルム岬5 (PNG 666KB)

32.最後に階段を登って、最終目的地の「エンルム岬展望台」に到着。

 南側の「太平洋の大海原」を望むことが出来ます。

岩 (PNG 738KB)

33.展望台の西側には、海に浮かぶ「奇岩の数々」を望むことが出来ます。

 一番左側は先ほど訪れた「親子岩」、その右側奥に見えるのが「ローソク岩」、右側手前に見えるのが「ゾビラ岩」です。

エンルム岬6 (PNG 910KB)

34.展望台には、これらの奇岩の成り立ちを「説明する看板」があります。

 なお、様似町は前述の特異な地質のため、2015年(平成27年)に「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されています。

様似海 (PNG 1.14MB)

35.ゾビラ岩の東側(右側)にあるのが、1934年(昭和9年)に竣工した「様似漁港」です。

 漁港の奥に見える山が、これまで反時計回りに一周してきた、標高101mの「観音山」です。

様似漁港 (PNG 1.26MB)

36.展望台の北側を望むと、様似会所跡付近が「陸繋島の地形」であることが分かります。

 かつては天然の良港とされ、また、様似以東は断崖絶壁の連続のため、この地が江戸時代から「交通の要衝」として重視されました。

様似漁港2 (PNG 483KB)

37.展望台の東側には、標高810mの「アポイ岳」を望むことが出来ます。

 低標高ながら、前述の特異な地質と冷涼な気候のため、高山植物の宝庫となっており、その高山植物群落は、1952年(昭和27年)に「国の特別天然記念物」に指定されています。

様似漁港3 (PNG 505KB)

38.なお、上の写真は、別の機会に観音山展望台から撮影した「エンルム岬」です。

 かつてのアイヌの「エンルムチャシ跡」となっており、また、江戸時代末には外国船打ち払いの「台場」となりました。

 この後「JR様似駅」に戻り、今回のウォーキングは終了です。

【以上、ウォーキング距離 推定約5km】

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