海域の特性にあった栽培漁業の推進

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海域の特性にあった栽培漁業の推進

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日高管内では、栽培主要魚種として期待されているマツカワを中心に、各種栽培漁業への取り組みを行っています。

dia02s.gif栽培漁業dia02s.gif水産基盤整備事業(漁場)dia02s.gif沿岸漁業漁村振興構造改善事業dia02s.gif北海道いきいき浜づくり事業dia02s.gifさけ・ます増殖事業

栽培漁業

 栽培漁業とは、ただ漁獲物を獲ることだけにとどまらず、資源の増殖への努力を行うことでその海域の生産力を維持・増大させ、それを通して漁獲の増産・安定化を図ることを目的としています。

 そのための方法として、直接的には放流などで資源をふやす方法、また間接的には魚のすみ場や海藻類の付着面をつくる等の漁場環境整備・保全を行う方法などがあります。

 このうち放流については、管内の各町・各漁業協同組合で構成される日高管内栽培漁業推進協議会が行っているマツカワの放流をはじめ、各地でクロソイ・ハタハタ等の放流が行われています。

 また漁場環境整備・保全については、水産基盤整備事業(漁場)・沿岸漁業漁村振興構造改善事業・北海道いきいき浜づくり事業などの各種事業を通して魚類・コンブ等を対象とした整備が行われています。

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マツカワ放流風景

水産基盤整備事業(漁場)

 水産基盤整備事業とは、「水産業の健全な発展及びこれによる水産物の供給の安定を図るため、環境との調和に配慮しつつ、漁港漁場整備事業を総合的かつ計画的に推進し、及び漁港の維持管理を適正にし、もって国民生活の安定及び国民経済の発展に寄与し、あわせて豊かで住みよい漁村の振興に資することを目的とする」(漁港漁場整備法第1条より)とあるように、旧来の「沿岸漁業の安定的な発展と水産物の供給の増大」を目的とした沿岸漁場整備開発事業を継承しつつ、より効率的・効果的な基盤整備を行うため個々の施設に着目した事業体系から資源の増殖から生産、流通まで一貫した横断的な事業展開を目指したものです。

 この方針に従い、日高管内においては沿岸域の水産資源の増殖を目指した魚礁設置事業・増殖場造成事業とともに、各地区に密着したコンブ等の地先資源の増殖場造成事業が行われています。

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魚礁設置事業

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 一般に魚は磯根や天然礁に集まる性質があるため、その周辺は優良な漁場となることが知られています。魚礁とは、この性質を利用して、磯根や天然礁に似た構造物を人工的に作ることで既存の漁場の拡大、もしくは新たに漁場を作り出すことを目的として作られたものです。
 この魚礁を沈設することで漁場の造成・拡大を図る事業が魚礁設置事業と呼ばれる事業です。古くは日高管内では昭和37年頃から事業が行われており、今年度の計画立案が予定されている日高海域地区広域漁場整備事業においても門別漁場、様似漁場、えりも漁場の3地区が現在検討されています。


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増殖場造成事業

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 増殖場造成事業とは、天然水産動植物の再生産を助けるため、もしくは放流・散布した人工種苗の保護育成を図るために投石や離岸堤、干潟などの造成を行い増殖に適した場所をつくる事業です。

 日高管内については、コンブの着生を目的とした囲い礁(かさ上げ礁)が主流となっています。
 これは、水深が深すぎてコンブの着生が悪い地点に、ブロックで囲いを設け石材を投入することで着生面のかさ上げを行い、良質のコンブの着生を促すものです。

 この造成手法は平成元年度に造成を開始した門別富浜地区ほか3地区から採用され、現在までに11地区20箇所が造成されています。現在は浦河町東栄地区、様似町鵜苫地区での造成が行われています。

 このほか代表的な増殖場造成事業の中には、タコやイカ等の増殖を目的とした産卵礁施設や、ウニ等の放流・生育場所の造成を目的とした施設などがあります。


沿岸漁業漁村振興構造改善事業

 本道周辺海域の漁場は、近年、多くの魚種で資源の減少が進み、漁業生産量は低水準で推移しています。またそれに追い打ちをかけるように水産物の価格の低迷が続いており、漁家や漁業協同組合の経営環境は厳しさを増しています。さらには漁業就業者の減少及び高齢化も進行しており、漁業生産活動や漁村の活力の低下を招いています。

 沿岸漁業漁村振興構造改善事業は、このような沿岸漁業をめぐる厳しい状況に対し市町村・漁業協同 組合などが対処していくために、資源管理の強化、漁業経営の改善と担い手の育成、流通・加工・消費対策、漁業地域の振興等を目的として行う施設の整備などを支援する事業です。

 日高管内では、コンブを対象とした築いそ(投石)、有害生物の除去(雑海藻駆除)等が 主に行われています。

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築いそ(投石)

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 築いそ(投石)とは、自然石を投入することで底質を改善し、コンブの着生を良好にし、生産量の向上を図るものです。

 日高管内では、昭和37年頃から漁場改良事業として投石事業が始まっており、現在もコンブの着生量を増やす有効な手段として管内で広く用いられています。

 築いその形態としてはこの他に、逆に浅すぎる岩盤地帯を掘削して着生面を広げる岩盤掘削という手法も行われています。


北海道いきいき浜づくり事業

 北海道いきいき浜づくり事業とは、輸入水産物の増加等による魚価の低迷や若者の都市への流出など、漁業を取り巻く環境が厳しく推移している中で、地域自らの創意・工夫によって本道漁業・漁村の活性化を図り、たくましい水産業を自ら構築していくための支援を行う事業です。

 具体的な内容としては、管内では雑海藻駆除や築いその新規工法の試験事業、栽培設備の整備などの事業が行われています。


さけ・ます増殖事業

 日高管内では、10河川をさけ・ます増殖河川と位置づけ、13のふ化・放流施設でさけ増殖への取り組みを行っています。

 取り組みの詳細については、別頁を参照下さい。


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