日高のさかなたち 毛がに1

 

 

日高のさかなたち 毛がに


 

 

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これが日高の毛がに!

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食べる!

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育てる。

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生態と漁獲量

 

獲れたての日高産毛がに →
えりも町産H18.12.12
  

 これが日高の毛がに!

 

 毛ガニと言えば北海道

 そして、冬の味覚として堪能できるのは、日高産です。

 毛ガニは、12月から翌年3月までが旬。

 海水温の低い冬に獲れる日高の毛ガニは、身が締まりまさに冬の味覚です。

 日高の操業状況はこちらをご覧ください!

 見た目そのままが名前!

 毛ガニの名前は、見た目そのままから体表面が毛に覆われていることから来ているようです。英名でも hair crab (ヘアー クラブ = 毛 蟹)であることからも明らかです。

 食 べ る !

 

 毛ガニを食べると言えば大方は、港に水揚げされたばかりの毛ガニをそのまま大鍋で、塩ゆでする浜ゆでガニを思い浮かべるのではないでしょうか?

 美味しく食べてくださいと言わんばかりに、それまで茶色かった体色が、ゆで上がるときには、きれいなピンク色に変わっている。

 そんな熱々のカニの甲羅をはずして先ずは、濃厚な「みそ」(カニの肝膵臓)を堪能する。

 その後は、甲羅に日本酒を満たし、火にかけ燗をつけて、身肉を肴にカニの味を堪能する。

 冬が旬の日高ならではの毛ガニの楽しみ方ではないでしょうか!

 

 まだまだあります。美味しい食べ方が!

 ごく新鮮な活ガニは、そのままで足を切り離し殻を剥き、氷水に入れ暫くして身が花が開いたようになったらそのまま刺身でいただけます。

 ゆでガニは、殻をむき、足の肉は、酢の物にして、サラダの具材として、身をほぐして塩、醤油で味付けし、殻の煮汁でご飯を炊き込めば蟹飯でいただけます。

 また、ホワイトソースとの相性がいいので、クリームコロッケ、グラタンの具材とし、更に卵との相性もいいことから卵で閉じ、甘酢あんをかければ中華風に変身します。殻のままみそ汁の具材に使えば蟹汁のできあがり。

 

 おまけ ~ 生の毛ガニを塩ゆでにする ~

 1 毛ガニの足を輪ゴムでとめるかひもで結ぶ。

 2 大きめの鍋に水をはり、塩を入れて(水1リットルに対して25グラム)沸騰させる。

 3 カニは、甲羅を下にして(上にすると美味しいミソが流れ出てしまう。)鍋に入れ15分を目安にゆでる。
   ゆで過ぎると旨みが流れ出てしまうので注意。

 4 ゆで上がったカニをザルに揚げ熱々をお召し上がりください。

 

 おまけ2 ~ 冷凍ガニを解凍する ~

 冷凍ガニは、自然解凍するのが一番。

 1 カニは、必ず甲羅を下にして、水分の蒸発を防ぐためにキッチンペーパーや日本手ぬぐいなどで包み、部屋の中の日陰に置く

 2 半日程度でちょうど食べ頃になります。但し、完全に解凍するよりも8分目程度に解凍するのがおいしく頂く秘訣です。

 3 暑いときは、同じくキッチンペーパーや日本手ぬぐいなどで包み冷蔵庫に半日程度入れておくと解凍できます。

 4 もし、解凍をお急ぎの時は、沸騰したお湯を80度くらいにさまし、冷凍ガニを日本手ぬぐい等でくるみビニール袋に入れ封を して2~3分浸すと手早く解凍できます。

 

 おまけ3 ~ 美味しいカニを見分ける ~

 カニは、脱皮を繰り返して成長していきます。

 脱皮後のカニは、身の入りが悪く、殻をむいても「身が詰まっている。」とは言えず「身がスカスカ」っていう状態で美味しいくありません。こんな状態を「脱皮ガニ」とか「若ガニ」と言います。

 美味しい毛ガニを食べるためには、身がぎっしり詰まっている「堅ガニ」を選びます。

 目利きのポイントは、

 ○ 甲羅の色が、茶色っぽい。脱皮は、ピンク色に近い色している。

 ○ 甲羅を押してあまり弾力がない。脱皮は、甲羅が柔らかく、身が入っていないため弾力がある。

 

 おまけ4 ~ 毛ガニのようで毛ガニでない「カニ」 ~

 「毛ガニのようで毛ガニでないカニ」。

 それは、「クリガニ」

 北海道太平洋沿岸、東北地方で漁獲されています。

 味は、毛ガニに劣らず美味です。ただし、廉価なので毛ガニの代用品となってしまうことがあるようです。

 見分け方は、甲羅の形をみれば一目瞭然、毛ガニの甲羅が円いのに対して、クリガニは、菱形をしています。ただ、足だけの状態になってしまうと見分けるのは、難しいです。

 

 育 て る。

 

 北海道全体で、毛ガニの漁獲量は、1955年に過去最高27,385トンを記録した後、減少の一途をたどり、1968年1万トンを割り、近年は2千トン程度になっている。

 そのため、古くから資源回復への取り組みがなされている。

 1957年  メス全てと、甲長7センチ未満のオスを採捕禁止に

 1964年  オスの制限甲長が7センチ未満から8センチ未満に引き上げ

 1968年  許容漁獲量制度を導入

 1991年  毛ガニかごの編み目を3寸8分(11.5センチメートル)に拡大

 この他、海域ごとに漁船数、かご数、操業期間を決めることによって資源を保護している。

 また、北海道では、毎年、資源評価を行い、資源管理のための方法を「北海道水産資源管理マニュアル」として提案しています。

 

 生 態 と 漁 獲 量  

  参考文献 漁業生物図鑑 新 北のさかなたち  北海道新聞社発行

 

【 名 前 】

分   類  十脚目 クリガニ科
標準和名  ケガニ
学   名  Erimacrus isenbeckii
英   名  hair crab 、horsehair crab
漢   字  毛蟹(ケガニ)
アイヌ語名  ヌマウシアパヤヤプ

【 特 徴 】

 甲羅は、雌雄で形が異なり、雄は縦長の楕円形、雌は幅広で円形に近い。また、雌の背甲面は雄に比べ膨らみが強い。額は2歯からなり、甲の左右側縁にそれぞれ7歯がある。甲面には左右対称に小さい棘がある。触角はやや長く、毛が生えている。ハサミは、足より短く、ハサミ、足の各節には、羽状の毛が生え、小さい棘がある。腹部は三角形で、その幅は、雄より雌の方が広い。体色は、脱皮直後はオレンジ色であるが、数時間で薄いピンク色に変わり、その後次第に茶色っぽくなる。

※額→甲殻類頭部の先端部分

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【 生 態 】

 毛ガニは、ベーリング海東部からアリューシャン列島、千島列島、サハリン南部、日本を経て、朝鮮半島東部に至る北太平洋の広い海域に分布している。日本国内では、北海道沿岸各地から太平洋では茨城県まで、日本海では島根県まで分布しており、北海道周辺のオホーツク海と太平洋側に多い。

 主に水深150メートルより浅く、水温15度以下で、底質が砂か砂泥域に生息する。

 北海道沿岸では、オホーツク海群、噴火湾からえりも岬周辺に分布するえりも以西群、えりも町目黒から釧路に分布する釧路以西群、それより東に分布する釧路以東群、その他いくつかの群がある。

 日高における産卵期(抱卵期)は7月~8月と11月~4月で、幼生のふ化期は3月~4月です。産卵場は不明です。抱卵個体はえりも周辺に多く分布します。メスは産卵後、受精卵を自分の腹肢に付着させ、幼生が孵化するまで保護・移動します。

 孵化した幼生は、浮遊性で、海面表層から水深40メートル付近に分布し、6月中旬から7月上旬に脱皮して、ようやく甲長5ミリのカニの姿となり海底生活にはいる。その後、脱皮を繰り返し成長する。

 漁獲対象となる甲長8センチに達するには、14回の脱皮を繰り返し、7年という長い期間を要する。

毛ガニ(オス)の成長

年齢

齢期

平均甲長
(ミリ)

1才

21

2才

44

3才

10

51

4才

11

57

5才

12

65

6才

13

71

7才

14

81

8才

15

89

9才

16

95

10才

17

104

 

 ※ 齢期
  
稚ガニになってからの脱皮
  の回数。1歳時は、1年間に
  6回脱皮する。

【 漁 業 】

 毛ガニは、1930年代初めまで刺し網などの混獲物として漁獲されるのみであった。しかし、1936年頃から缶詰の原料として需要が高まり、毛ガニ漁業が本格化した。それに伴って毛ガニを漁獲するための漁具「けがにかご」が誕生した。

 けがにかご漁業は、サンマ、イカ等餌を入れたかごをロープに15~20メートル間隔で取り付け、1~2昼夜海底に沈めて、餌に誘われてかごに入った毛ガニを漁獲します。

 この漁法のよい点として、かごを漁船に揚げた段階で、メスガニ、甲長8センチ未満の小型ガニを選別して速やかに海中に戻せるところです。

【 漁獲量 】

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