「赤ワイン」だけが善玉か!?(企画係)
「赤ワイン」だけが善玉か!? |
一般的に動物脂肪の摂取量が多くなれば、虚血性心疾患による死亡率が高くなるとされています。 ところがフランスだけは例外で、動物脂肪の摂取量は多いにもかかわらず、虚血性心疾患による死亡率は低い(フレンチパラドックス)ことが報告されています。 これはフランス人の赤ワインの摂取量が他国と比べて多いことから(日本人の約60倍)、赤ワインの中に含まれるポリフェノールが、悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化を予防する効果があるとされています。 一般的に虚血性心疾患がアルコールの種類と関連があるのか、量と関係があるのか議論が分かれるところです。 さらにこの問題を複雑にしているのは、アルコールを飲む人は1種類のアルコールだけを飲んでいるわけではない(我が身にあてはめると、「なるほど!」と思う人もたくさんいるはず)という事実もあります。 ここで興味深い報告を紹介します。 WHOの調査の一環として、ほとんどビールだけが飲まれているチェコ共和国におけるアルコールと虚血性心疾患との関連をみた報告によると、ビールを1日1本飲む人、1週間に換算して5~6リットル飲む人が最も心筋梗塞のリスクが低いという結果になりました。 つまり、アルコールの「種類」よりは、「適正な量」が虚血性心疾患のリスクを下げる要因なのです。
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