日高のさかなたち ハタハタ1

 

日高のさかなたち ハタハタ


 

 

 

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これが日高のハタハタ!

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食べる!

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育てる。

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生態と漁獲量

 

捕れたての30cm超ハタハタ →
様似町冬島産18.12.1
  

 

 これが日高のハタハタ!

 

秋の終わり、冬の訪れを知らせる魚です!

 海が、それまでのマリンブルーから黒く変わり、穏やかで優しい海から冬の荒れた海へとかわる季節、ハタハタは、雷鳴轟き海が時化(しけ)た時をめがけ、産卵のため住み慣れた深みから水深数メートルの藻場へと群をなしてやってきます。

 その間、わずか1週間から10日。漁業者にとって勝負の時です。荒れる海へ船をだし、網を揚げてきます。「師走の贈り物」と言われる由縁ではないでしょうか。

「ハタハタ」の名前はどこから?

 ハタハタは、漢字で、「鱩」、「鰰」と書きます。魚偏の漢字で旁は、その魚の特徴を表していると言われます。

 ハタハタも、旁の「雷」と「神」がキーワードのようです。

 雷を表す言葉に「霹靂(へきれき)」があり、「青天の霹靂」という慣用句でよく使われているのではないでしょうか。青天の霹靂、すなわち晴れ渡った空に突然雷が鳴り響くことで、転じて突然思いもよらぬことが起きるという意味です。また、雷神を表す言葉に「霹靂神」があります。これは、「はたたがみ」と読み、ハタハタの名前の由来のようです。

 まさに、雷鳴響く夜に産卵のため岸に寄る「ハタハタ」そのものではないでしょうか。 

 

 食べる !

 

ハタハタを食べると言えば、

「飯寿司」

「煮付け」

が一番!?

 北海道でハタハタを食べると言えばこれが、一番ポピュラーで一番美味しい食べ方ではないでしょうか!

 ハタハタの旬は、日高で11月下旬から12月上旬、しかも僅か1週間から10日間のきわめて短い間です。この短期間に、15~20センチと魚体が大きく抱卵したものを煮付けにして味わう。身は白身で淡泊なのに旨みがある。身の旨み以上に忘れられないのが、ブリコ(ハタハタの卵)です。プチプチっとした食感、独特の粘り気、表現しようのない美味しさです。

そして、もう一つの味が「飯寿司」(飯鮨とも書きます。)です。北海道・東北以外ではなじみの少ないものだと思います。

 寿司と言っても江戸前の「にぎり」ではなく、桶に、ハタハタと、大根、人参などの野菜、米、米麹を何層にも重ね合わせ漬け込む発酵食品です。ハタハタが獲れた時に、各家庭で一斉に漬け込まれ、ちょうどお正月に食べ頃を迎えます。

 ハタハタは、身が引き締まり旨みが増して、甘酸っぱいくせのない味わいです。

 ご飯のおかずとして、酒の肴として最高です。

 その他には、塩焼き・煮付け・唐揚げ・天ぷら・ムニエル・鍋物等に。ブリコは椀種や鍋物にしてはどうでしょうか。

 ハタハタは、鱗がないので調理に手間がかからず、とっても身ばなれがよくて食べるときにも手間がかからない魚です。

 育てる。

 

 北海道では、ハタハタ資源の増大に対する漁業者の関心が高く、漁業者自らの手による増殖事業や資源管理への取り組みがなされています。日高では、漁業協同組合、関係町が「日高管内栽培漁業推進協議会」を組織し、栽培漁業に取り組んでいます。

 増殖事業では、人工授精した卵塊(ブリコ)を北海道栽培漁業えりもセンターの陸上水槽で飼育し、翌年春に放流する人工ふ化放流を中心に実施しています。

 また、資源管理面では、刺し網の目合制限、漁具数の制限、漁獲物の全長制限などを行っています。

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色とりどりのブリコ

放流直前の稚魚 2008.6.3

 生態と漁獲量  

      参考文献 漁業生物図鑑 新 北のさかなたち  北海道新聞社発行

 

【 名 前 】

分   類  スズキ目 ハタハタ科
標準和名  ハタハタ
学   名  Arctoscopus japonicus
英   名  sailfin sandfish
漢   字  鰰、鱩、雷魚、燭魚 (いずれも読みは「はたはた」)
アイヌ語名  パタパタ、オタスイコル、ヤンチポル

【 特 徴 】

 体は、やや細長く、腹背の高さ(体高)に比べて左右の厚み(体幅)の少ない。鱗と側線がない。口は大きく、著しく斜めに向く。下あごは上あごより突出する。えら蓋に5本の鋭い棘(きょく)がある。背びれは2つで著しく離れている。胸びれは大きい。尻びれは著しく長い。魚体の背中側は、黄褐色で不定形、黒褐色の斑点があり、腹部側は、銀白色をなしている。

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【 生 態 】

 山口県以北の日本海、オホーツク海、宮城県から千島列島を経てカムチャツカ半島東岸に至る太平洋に分布する。

 北海道に分布するハタハタは、日高群、石狩群、網走群、根室群、釧路群、噴火湾群の6系統群に区分されるのが一般的であったが、日高群、釧路群、噴火湾群の太平洋3群の遺伝的差違がみられないなどの意見があり、現在の研究でも系群は明らかになっていない。

 日高におけるハタハタは、通常、水深100メートル以上の砂泥域に分散して分布し、11月下旬から12月上旬の1週間から10日間程度の産卵期に、産卵場所となる水深2~10メートルにあるウガノモクに一気に来遊する。

 ハタハタは、1尾で約1,000~2,400粒を抱卵し、一度に直径4センチ前後の卵塊としてウガノモクに生み出す。卵塊は海水に触れるとその中心部分にある粘着物質が溶け出し数十秒で固まる。

 卵塊は、ブリコと呼ばれ、オレンジ、緑色など色とりどりで同じ魚の卵とは思えないくらいである。

【 漁 業 】

 産卵のため沿岸に寄る11月下旬から12月上旬のわずか1週間から10日間程度で年間漁獲量の99パーセントを刺し網によって漁獲している。えりも町、様似町での漁獲が多い。

【 漁獲量 】

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