日高のさかなたち 日高昆布

これが日高昆布!

日高と言えば昆布、昆布と言えば日高

食べる!

育てる。

生態と漁獲量

 

 

日高コンブ えりも町 H18.6.14 →
(えりも町役場提供)
  

 これが日高昆布!

 日高昆布を一言で宣伝すると、

 「出汁によし、食べてよし。」

 につきるのではないでしょうか?

 おまけに価格もお手頃ときています。

 昆布の種類は、いろいろあれど一般家庭で食べていただくには最適です!!

 続けて日高昆布を語るなら
 それは、生産されるそのほぼ全てが「天日乾燥」していることでしょうか?
 採り昆布がはじまる7月上旬から日高の浜辺は、昆布一色となります。

 更にもう一言と言われれば、
 「拾い昆布」でしょうか。
 これは言葉の響きは、よくありませんネ!
 決してその辺に落ちている昆布を拾うのではありません。
 海が時化(しけ)ると、それまでしっかり根をはっていた昆布が抜けて海を漂います。
 それを漁師の人たちは腰まで海につかり手で拾い集め漁獲します。
 男も女も、夏も冬も、周年営まれています。

 

手間が商品

 日高の昆布は、「手間を売る商品」と言えるでしょう!

 1年365日のうち、採り昆布と言われる昆布漁は、平均すると20日前後です。

 しかしながら、
 生のまま出荷する鮮魚と違い、昆布は加工品です。
 加工品と言うからには、手間と時間がかかり、さらには漁師の熟練技が必要です。

 加工は、皆さんも目にすることがある光景で、昆布を天日乾燥するところから始まるように見えます。

 現実は、それより前、6月中旬、昆布干場(こんぶかんば)の手入れから始まっています。
 玉砂利を敷き詰めただだっ広い干場を均し、雑草を1本1本抜きます。

 そして7月からいよいよ採り昆布がはじまりあの天日干しの見慣れた風景になっていくのです。

 ここでも見えない一手間が。昆布は干したまま乾燥するまでほったらかしではありません。
 そのまま乾燥させると、干場の玉砂利が昆布に付着してしまいます。微妙な加減で動かすことが必要です。
 ちなみにこの干す時間も長年の経験です。その日の天候、気温、湿度、風の変化を読み取って決まります。
 昆布は、乾燥しすぎるとバラバラに割れてしまいます。

 最初の乾燥が終わった昆布は、ビニールシートに包み、通称「小屋」と言われる昆布倉庫に入れ保管しま
 す。この保管は、庵蒸(あんじょう)と言われ、これにより昆布独特のあの黒い色が醸し出されます。

 頃合いを見計らって一度露にあて昆布をほんの少し柔らかくして、3尺5寸(105センチ)に切りそろえて結束
 します。そしてまた小屋で寝かせます。

 まだまだ、続きます。

 寝かせた昆布は、月1回ある集荷にあわせて選葉しなければなりません。
 選葉の前には、もう一度天日にさらす日入れの作業があります。
 そして、いよいよ選葉です。これは、職人技で、さらに気が遠くなる作業です。
 なんせ、3尺5寸に切りそろえた昆布1枚1枚を見てさわって、光沢、幅、重さ、傷などを見極め、一等から五
 等までに仕分けます。
 その後、20キロを1駄として等級毎結束して出荷されます。

 選葉がどれくらい気が遠くなるかというと、
 一等昆布であれば、1駄は20キロ、3尺5寸の昆布1枚は35から40グラム、単純に計算すると、
 それだけでも500枚以上にもなります。
 1回の出荷に20駄出荷すると1万枚以上を選葉することになるのです。

 7月から10月までが採り昆布の時期、
 この時期、日高の漁師は、天気がよく凪れば昆布採り、天気が悪ければ、刺し網漁業にでて
 そのあと夜遅くまで選葉に追われる毎日です。
 昆布の出荷は、操業が終わった後も翌年1月頃まで続きます。

 ここに書いた作業手順は、一例に過ぎません。
 昆布漁師は、よりよい昆布を出荷するためにそれぞれ、親、爺様から教えられたところに更に自分で工夫
 しています。人それぞれで作業の仕方も違いがあります。同じなのは、ただ一言「手間がかかる」と言うこと
 だけです。

 

水産課職員による昆布干し作業体験記はこちら!

 

 

知ってますか? 「昆布の日」

 それは 11月15日

 「七五三の日」に子供達に昆布を食べて丈夫になってもらおうと、日本昆布協会が1982(昭和57)年に制定し
 ました。
 今でも、北海道こんぶ消費拡大協議会が、毎年、札幌市内の北海道神宮をはじめ道外でも七五三詣での子
 供たちに「千歳こんぶ」を配布して丈夫になってもらおうと取り組みを続けています。

 

祝い事に昆布

 昆布は、古くは792年「続日本記」で「比呂米(女)(ひろめ)」あるいは「衣比須女(米)(えびすめ)」と呼ばれ貢
 ぎ物として朝廷に贈られたとあります。

 やがて昆布の幅の広さから来る「ひろめ(広布)」と呼ばれるようになり、”広める”の意味にもかけて祝い物と
 して利用されていたようです。

 今は、”よろこぶ”の語呂合わせから、祝い事には欠かせない縁起物となっています。

 特に祝い事の中でも縁が深いのが結婚です。

 仲人が女性の家に縁談を持ち出すときに出されるのが「昆布茶」、さらにはその中に昆布を細長く切り結ん
 だ「結び昆布」を入れて縁結びを祈る。

 結納では、子宝に恵まれ子孫繁栄をという意味もこめられ、立派な子供を産み、よい母になるようにという願
 いを込めて「子生婦(こんぶ)」という字が当てられています。

 結婚式では、両家親族の固めの盃に飾りとしてもちいられ、披露宴では、「比呂女」と言われるように文字
 通り”おひろめ”の儀式で煮物に昆布を入れたり、焼き物に添えたりされています。

 

 食べる!

 「昆布を食べる」 と言って、

 あれこれと食べ方を思い浮かべる方、

 えっ!昆布って出汁をとるものでしょ!と思う方、

 家庭で作る佃煮を思い浮かべる方、

 様々だと思います。

 日高昆布は、その両方に適しています。

 とっても簡単に、その両方を堪能する方法としてお薦めがあります。
 それは、毎日、家庭で作られる味噌汁です。

 出汁をとる。その後、昆布は切りきざんで具として食べる。

 どうでしょうか?
 皆さん、実践してみませんか? 

 

【昆布料理レシピ】

 美味しくてヘルシーな昆布、佃煮だけじゃもったいない!もっともっとたくさん食べ方があります。そんなお料理のレシピがありますのでご紹介します。

日高こんぶのアイディア料理
 2MB

 日高地方で昆布漁業に携わる女性達が、日高昆布をより身近な食材として食卓に取り入れてもらえるようにと創作料理の試食会など自主的な活動を行っていた信椒会(しんしょうかい)がお届けするレシピ集です。なお、残念ながら信椒会は解散してしまいました。

こんぶ料理の本
 1(2.1MB) 2(2.1MB) 3(2.2MB)

「昆布は最高! ”海の野菜”の優等生。」をキャッチフレーズに、様似町食生活改善協議会が作成したレシピ集です。3分割しています。

 ※レシピは、PDFファイルで提供しています。

 

【昆布はヘルシー】

 この項目は、書くのに苦労しました。
 昆布が、心身によいことはわかっていました。
 でも知識は、曖昧で自信が無い(^_^;)

 そこで裏付けをとろうと文献、インターネット情報を漁りました。
 そうするとあるわあるわ、出くわす情報の数だけ昆布が、心身によいことが謳われていました。
 いっそのこと、

 昆布、効能とかのキーワードでインターネットで検索してみてください。

 ってまとめようかと思ったくらいです。

 ですが、代表的な特長は掲載することにします。

 ミネラルが豊富!
 ミネラルは、体内で作ることができないので食べて摂取するしかありません。牛乳に多く含まれると言われるカルシウムは、それの実に4~8倍も含まれています。また鉄は、昆布100グラムで成人男子が1日に必要とする量の3分の2を摂取することができます。
 昆布のミネラルは、海水とほぼ同じ成分でアルカリ性です。肉食中心の食生活でとかく酸性になりがちな血液を中和してくれます。ミネラル成分はナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、塩素、鉄、亜鉛、銅が含まれています。

 ヨウ素(ヨード)がずば抜けて多い!
 
甲状腺ホルモンが不足すると、肌がカサカサしやすくなります。昆布には甲状腺ホルモンの原料となるヨウ素(ヨード)がたっぷりと含まれており、適度な摂取は肌の新陳代謝を活発にします。

 食物繊維が豊富!
 昆布のカロリーは、ほとんどゼロに近く低カロリー食品としては理想的です。更に昆布は、水を吸って完全に生の状態に戻ると概ね5倍の重さに膨れるのでカロリーの割に満腹感を得ることが出来るわけです。
 海藻だけが持つ食物繊維アルギン酸は、消化が困難で胃や腸でふくれ、腸の動きを助け(蠕動)、排便の量をふやし排泄作用が促進されます。つまり便秘によいわけです。便秘、直腸ガンの予防、また放射性物質の除去作用もあるという報告もあります。

 

 

 

 育てる。

【 150年前から 】

 昆布を育てる取り組みは、今を遡ること150年余り前、文久3年(1863)から6年をかけ、日高国沙流場所請負人であった山田文右衛門が、日高国沙流地方(現在の日高振興局管内日高町)で自然石を海中に投入(投石)したのが本格的なはじまりとされている。

 この投石は、1個、長さ1尺5寸から2尺、厚さ1尺から1尺5寸というから250キロ前後はあろうかという大きさの石を、初年度に27,000個、2年目から4年目には各50,000個、5年目、6年目には各々70,000個もの量を投入している。

 これによって、50石(7.5トン)程度であった昆布の水揚げは、投石量に比例し飛躍的に増加し、6年後の明治元年には700石(105トン)まで増加した。

 この投石が本格的とされるのは、その規模もさることながら、初年度、試験区域を設け深浅を測り投石し、半年後、1年後という期間を区切って、昆布の着生や生育状況を潜水調査を行い、石材を集中的にピラミッド状にすることによってより効果があることを見いだすなど、現在、行われている増殖事業に礎を築いていることにある。

 山田文右衛門が、150年余り前に投石事業を始められとされる門別の海とそれを見下ろすように建つ門別稲荷神社。

写真をクリックすると大きな画像になります。 (2008年11月29日撮影)

門別の海を見下ろす小高い丘にある門別稲荷神社

山田文右衛門の功績をたたえる顕彰の碑

顕彰の碑に刻まれた碑文

門別稲荷神社から見える門別の海

門別の海を見下ろす小高い丘にある門別稲荷神社

山田文右衛門の功績をたたえる顕彰の碑

顕彰の碑に刻まれた碑文

門別稲荷神社から見える門別の海

 ※参考文献 昆布(社団法人 日本昆布協会 S61)

【 現在の取り組み 】

 現在、日高管内では、年間4千トン前後の昆布を安定的に水揚げしています。

 これは、今も新規漁場を造成するため投石事業を行い、既存漁場についた雑海藻の駆除など、たゆまぬ努力が続けられているのも一助ではないかと思います。

 北海道が実施している事業は、こちらをご覧下さい。(現在、工事中)

 

 生態と漁獲量  参考文献 漁業生物図鑑 新 北のさかなたち  北海道新聞社発行

【 名 前 】

分   類  コンブ目 コンブ科
標準和名  ミツイシコンブ
学   名  Laminaria angustata
英   名  コンブ類の総称として kombu
地方名(北海道)  ヒダカコンブ
漢   字  三石昆布(ミツイシコンブ)、日高昆布(ヒダカコンブ)

【 特 徴 】

 ミツイシコンブは、成長した状態で、長さ2~7メートル、幅7~15センチ。縁辺部はゆるやかにうねる程度でほとんど波打たない、中帯部は幅の6分の1と細く、表面の中央部に幅の狭い1本の溝が走るように見える。葉の基部は輪郭が広いくさび形またはほぼ円形である。葉の色は緑色を帯びた黒褐色。

 

ミツイシコンブ特長

【 生 態 】

 津軽海峡に面した戸井町の汐首岬から噴火湾、えりも岬を経て、釧路地方の白糠町まで分布する。主産地は日高地方と十勝地方である。また、青森県から岩手県の太平洋沿岸にも分布する。

 寿命は、4年とされるが、漁業対象になるのは2~3年目のコンブで、普通2年コンブの群落の中に3年コンブが混じっている。最大成長期は1日に約8センチ伸びる。

 

【 生活史 】

 秋から冬にかけて子のう班から遊走子が放出され、岩盤、大型転石などの基質に着定する。着定した遊走子は、無性世代の胞子体から有性世代の微少な雌雄配偶体に成長する。配偶体が成熟して卵と精子を作り受精後、コンブとして育っていく。
 コンブは、春に最も成長し、夏には成長が止まる。その後、先端部分から枯れ短くなり冬を越し、翌年の春、著しく成長する。

 

【 漁 業 】

 日高地方が主産地である。

 漁は、7月上旬から9月下旬、遅いときで10月中旬まで、船外機船で「かぎ」、「ねじり」と呼ばれる漁具を使った採りコンブ漁が、また、周年、漁具を用いない拾いコンブ漁が行われている。

 獲ったコンブは、順次、陸揚げし、小石を敷き詰めた干場(かんば)に運ばれ天日で乾燥する。

 漁法と出荷については、「北海道の漁業図鑑」にもっと詳しく掲載されています。

 

【 漁獲量 】

 

日高管内コンブ水揚げ量