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ホーム > 産業振興部 > 林務課 >  木質バイオマス資源の利用状況


最終更新日:2017年7月11日(火)

木質バイオマス資源

◆ 木質バイオマスとは

 バイオマス(biomass)とは、bio(生物)とmass(量)を合わせた用語で、「生物量」、「生物の現存量」、「生物の総量」などと訳されます。
 特に、「バイオマス・エネルギー」として使われるときは、「太陽のエネルギー(光合成等)によって、成長する動物や植物などのうち、化学変化などによって、エネルギーに変換できる有機性資源」のことをいいます。

 代表的な例として、廃棄物系バイオマス(畜産資源(家畜排せつ物等)、食品資源(加工残渣、生ゴミ、動植物性残渣)、産業資源(パルプ廃液等)、林産資源(製材工場残材、建築廃材等)、未利用バイオマス(林産資源(林地残材)、農産資源(稲わら、もみがら、麦わら等)、資源作物(糖質資源(さとうきび、てんさい)、でんぷん資源(米、いも類、とうもろこし類)、油脂資源(なたね、大豆、落花生等)があります。

 北海道では、バイオマスのうち樹木の枝や葉、幹などの全部又は一部を木質バイオマスとしています。
 例えば、薪、木炭、林地残材(樹木の伐採や造材の時に発生した枝、葉など)、樹皮、おがくず、製材端材(製材工場等から発生)などがあります。

 現在、木材は幹の一部を柱などの製材として利用していますが、柱などに適さない細い木(除伐木)、枝や葉などは利用されずに、そのまま森林に放置されています。これらの未利用の木質バイオマスの有効活用を図るため、燃やすことで熱を得たり、化学変化させることでガスや液体燃料を取り出して利用しようとしています。

◆ 資源の循環

 地球温暖化の原因の一つとして大気中の二酸化炭素濃度が上昇していることがあげられていますが、植物は光合成により、この二酸化炭素を体内に取り込むことができます。特に樹木は幹に大量の二酸化炭素を保持することができます。

 木材は燃料として燃やすと二酸化炭素を発生しますが、石油や石炭などの化石燃料の使用量を減らすことができます。化石燃料は一度使ってしまうと再生生産することは困難ですが、木材の場合、森林を伐採した後に、植林することで再び、二酸化炭素を森林が吸収し成長することにより、新たな木材として利用することができる再生産可能な資源といえます。

 森林を整備することで発生する未利用森林資源を公共施設や一般住宅のエネルギーで利用することは、誰もが取組可能な資源の地域内の循環利用の方法です。

◆木質バイオマス資源の有効活用

大きく分けて2種類の方法があります。

 ◇ 直接燃焼による方法

 加工が容易で、特別な設備が不要なため古くから利用されていた「薪(まき)」があります。さらに加工したものとして「チップ」や「木炭」などがありますが、近年注目を浴びているのは「木質ペレット」です。

 木質ペレットは、木材を粉状に加工したものを圧縮成形したもので、その特徴は、
  1)含水率(木材中に含まれている水分の率)が低く、利用可能な熱が多い。
  2)同じような形状をしているため、ストーブなどの燃焼機器で自動的に燃焼が可能。
  3)圧縮しているので輸送が容易等
 のメリットがあります。

◇化学変化により利用する方法

 木材からガスを抽出したり、エタノールなどの液体燃料を取り出し、これを利用する方法です。この方法はエネルギーの利用効率が高くなる等のメリットがありますが、製造するためには特別な施設が必要になります。

 近年、CHP(Combined Heat and Power:コジェネレーションとも言う)が注目されております。これは、森林バイオマスを燃焼させることで得られる熱で蒸気を発生させ、その蒸気でタービン発電を行う方法や、木材中に含まれる水素などを利用して、タービンやエンジンなどで発電を行う方法があります。
 電力の他、余熱を暖房等の熱源として利用するシステムで、発電のみの場合や熱利用のみの場合と比較してエネルギー利用効率が高くなります。

◇ 日高管内の状況

 日高管内では、木質バイオマスエネルギーに関する取り組みを行なっていますが、木質ペレットの生産施設や、供給体制は整っていません。
 ひだか南森林組合において、平成16年度から木質バイオマス資源活用促進事業(地域課題の検討事業)を実施しており、地域で発生する林地残材や間伐材等を有効利用する方法などを検討しています。
 平成27年11月からは、林地残材等をチップ化して、江別市にあるバイオマス発電所の燃料として出荷しています。
 また、平成29年1月には、事務所の暖房用としてチップボイラーを導入し、林地残材や河川流木をチップ化した燃料の利用を進めています。

 ○ チップの製造状況(写真左)、チップボイラー(写真右)。
   チップの製造状況 チップボイラー

 また、日高管内の産業の特徴である「競走馬」の生産に必要な「寝藁」に替えて、木質ペレットが利用されています。木質ペレットを利用しているのは競走馬育成牧場で、藁は蹄や馬体に刺さる可能性があることと、糞尿の処理は馬房内全部の藁を取り替えなければなりませんが、木質ペレットは、踏まれると砕けて粉状になるため、蹄や馬体に刺さることがありません。また、糞尿の処理は部分的に取り替えることが可能で作業の手間が省けるとの情報をいただいております。

 ○ 木質ペレットを利用している馬房(写真左)、木質ペレットを馬房へ搬入(写真左)。
 ※ 浦河町内の育成牧場にて撮影
 木質ペレットを利用している馬房(浦河町) 木質ペレットを馬房へ搬入(浦河町)